ハンディキャップを持ってないゴルファーにハンディキャップを付与するには

2020/07/10 9:00

 コンペくんの開発にあたり、世界のゴルファーはどのような競技方式でコンペを楽しんでいるのか、調査・ヒアリングしてきました。

 そのなかで驚きだったのは、1ラウンドのスコアでハンディキャップを即席算出する「ダブルペリア」のような方式の種類があまりにも多いことでした。

 多くのゴルファーの方々はご存知の通り、公式ゴルフ規則にダブルペリアのようなハンディキャップ即席算出方式についての記載はありません。ダブルペリアもペリアもローカルルールとして楽しまれ、ダブルペリアはコンペの定番になっています。ただそれは国内に限った話で、海外では馴染みがなかったり、またはペリアと名乗っておきながら計算方法が違うケースもあります。

 なお、ペリア(Peoria)の名の由来はアメリカ・イリノイ州に実在する地名からだ、とか、ある実在するゴルファーの名をとった、とか種々の説があるようですが、正確なところはわかりませんでした。

 ハンディキャップ計算に関連して、USGA作成のHandicapping The Unhandicappedというページがあります。ハンディキャップを持たないゴルファーにいかにしてハンディキャップを付与するか?というテーマで以下方式を紹介しています。

  • Second Best Score System
  • Modified Peoria System
  • The "Official Callaway System"
  • Scheid System

 あのUSGAがこんなに丁寧に非公式ルールについて説明してくれるのか、と興味深くこの資料を読んでいたのですが、その途中に「the concept of a one-round handicap is deceptive」(1ラウンドのハンディキャップ算出は当てにならない)とも書いてました。やはりUSGAとしてはHandicap Indexの利用を推進していくとの立場に変わりないようです。余談ですがこのページ、もともと公開されていたアドレス(2019年時点では見れていた)では消され、検索したら digital-dev.usga.org というドメインのテスト環境?のページで見ることができました(2020年7月現在)。USGAとしてはあくまでHandicap Index、そしてWorld Handicap Systemを推進していき、今回のような非公式ルールについての記事は重要性低しといずれ消してしまうのかもしれません。

 コンペくんとしては、公式・非公式を問わず、いろいろなルールでコンペを楽しめる環境を整備したいと考えております。そこで世界のハンディキャップ算出方式を以下のとおりまとめてみました。

世界のハンディキャップ算出方法

方式 詳細 備考
ペリア

■隠しホール(18ホールにつき)
6ホール
※合計パーが24になるようにOUT/INで各3ホール

■ハンデ算出式
([隠しホールのスコア合計]×3-[そのコースのパー])×0.8=ハンディキャップ 

ダブルペリアより人気薄だが「番狂わせが少ない」との評価もあり
新ペリア(ダブルペリア)

■隠しホール(18ホールにつき)
12ホール
※合計パーが48になるようにOUT/INで各6ホール

■ハンデ算出式
(隠しホール×1.5-[そのコースのパー])×80%=ハンディキャップ
※「×1.5」ではなく「×3÷2」と記載している例もあり(計算結果としては同じ)
※ホールごとに上限を設定する場合あり
打数制限なし、ダブルパーカット、トリプルパーカット、ダブルボギーカット、トリプルボギーカット

国内でもっとも普及している方式。コンペくんもこの方式を採用
新新ペリア

■隠しホール(18ホールにつき)
9ホール
※合計パーが36になるようにOUT/IN計9ホール

■ハンデ算出式
([隠しホールのスコア合計]×2-[そのコースのパー])×0.8=ハンディキャップ 

 
Peoria System (1)

■隠しホール(18ホールにつき)
6ホール
※Par3を2つ、Par4を2つ、Par5を2つ

■ハンデ算出式
([隠しホールのスコア合計]×3-[そのコースのパー])=ハンディキャップ 

18birdiesで紹介。国内の「ペリア」と似ているが、「×0.8」がない
Peoria System (2)

■隠しホール(18ホールにつき)
6ホール
※Par3を2つ、Par4を2つ、Par5を2つ
※OUT/INから1つずつ選ぶ

■ハンデ算出式
([隠しホールのスコア合計]×3-[そのコースのパー])×80%=ハンディキャップ
※通常ダブルパー上限とする
※小数点は四捨五入

elitegolfで紹介。国内の「ペリア」と同じ
Second Best Score System

■隠しホール(18ホールにつき)
(設定しない)

■ハンデ算出式
過去12ヶ月で68以上のparのコースでのベストスコア3つ
過去2年でゴルフコンペのベストスコア1つ
このなかから2番めのベストスコアを採用し、
男性は70を引いて、女性は73を引いた数をハンディキャップとする
※本方式は1ラウンドで算出できませんが、USGA紹介方式だったので参考までに掲載します

USGA紹介
Modified Peoria System

■隠しホール(18ホールにつき)
6ホール
Par3ホール1つ
Par4ホール4つ ※代表的の長さ・難易度のホールをフロント9・バック9から2つずつ
Par5ホール1つ

■ハンデ算出式
隠しホールのオーバーパーの合計×2.8
※オーバーパーの上限はPar3・Par4は3、Par5は4

例:スコア98、選択した6ホールで11オーバーだった場合
11 x 2.8 = 30.8 = 31 allowance
Net score is 98 - 31 = 67

USGA紹介
The "Official Callaway System"

■隠しホール(18ホールにつき)
(設定しない)

■ハンデ算出式
グロスのスコアと18ホール中の悪いホールスコアに応じて以下査定表でハンディキャップを決める

18ホールスコア(グロス) ハンディキャップ計算方法
- - 70 71 72 no holes and adjustment
73 74 75 - - 1/2 worst hole and adjustment
76 77 78 79 80 1 worst hole and adjustment
81 82 83 84 85 1 & 1/2 worst holes and adjustment
86 87 88 89 90 2 worst holes and adjustment
91 92 93 94 95 2 & 1/2 worst holes and adjustment
96 97 98 99 100 3 worst holes and adjustment
101 102 103 104 105 3 & 1/2 worst holes and adjustment
106 107 108 109 110 4 worst holes and adjustment
111 112 113 114 115 4 & 1/2 worst holes and adjustment
116 117 118 119 120 5 worst holes and adjustment
121 122 123 124 125 5 & 1/2 worst holes and adjustment
126 127 128 129 130 6 worst holes and adjustment
-2 -1 0 +1 +2 Adjustment to Deduction *Maximum deduction -50

■例
スコア95、査定表によると、「2 & 1/2 worst holes and adjustment」つまり「悪いホールスコア・下から2つ+次に悪いホールスコアの1/2」を計算します。ただし1-16番ホールのなかからピックアップします。悪いスコアのホールから順にスコアが8, 7, 6だったとします。計算すると、8+7+(6÷2)=18 となり、そこから95の「Adjustment to Deduction(調整スコア)」である+2をあわせ、ハンディキャップは「20」、ネットスコアは「75」となります。

※パーの2倍を超えるのスコアはカウントしない(例:パー4のホールスコアは8まで)
※9ホールのプレーは18ホール換算で計算
※17番・18番は悪いホールスコアピックアップの対象外とする
※同じネットスコアでタイのときはグロスが少ないプレーヤーを上位とする

USGA紹介
Scheid System

■隠しホール(18ホールにつき)
(設定しない)

■ハンデ算出式
The "Official Callaway System" 改訂版。より幅広いスコアに対応

18ホールスコア(グロス) ハンディキャップ計算方法
- - 72 73 - - - no holes and adjustment
- 74 75 76 - - - 1/2 worst hole and adjustment
- 77 78 79 - - - 1 worst hole and adjustment
- 80 81 82 83 - - 1 & 1/2 worst holes and adjustment
- 84 85 86 87 - - 2 worst holes and adjustment
- 88 89 90 91 - - 2 & 1/2 worst holes and adjustment
- 92 93 94 95 - - 3 worst holes and adjustment
- 96 97 98 99 - - 3 & 1/2 worst holes and adjustment
100 101 102 103 104 - - 4 worst holes and adjustment
105 106 107 108 109 - - 4 & 1/2 worst holes and adjustment
110 111 112 113 114 - - 5 worst holes and adjustment
115 116 117 118 119 120 - 5 & 1/2 worst holes and adjustment
121 122 123 124 125 126 - 6 worst holes and adjustment
127 128 129 130 131 132 - 6 & 1/2 worst holes and adjustment
133 134 135 136 137 138 - 7 worst holes and adjustment
139 140 141 142 143 144 - 7 & 1/2 worst holes and adjustment
145 146 147 148 149 150 151 8 worst holes and adjustment
-3 -2 -1 0 +1 +2 3 Adjustment to Deduction

■例
スコア99、査定表によると、「3 & 1/2 worst holes and adjustment」つまり「悪いホールスコア・下から3つ+次に悪いホールスコアの1/2」を計算します。ただし1-16番ホールのなかからピックアップします。悪いスコアのホールから順にスコアが8, 7, 6, 6だったとします。計算すると、8+7+6+(6÷2)=24 となり、そこから99の「Adjustment to Deduction(調整スコア)」である+1をあわせ、ハンディキャップは「25」、ネットスコアは「74」となります。

※パーの2倍を超えるのスコアはカウントしない(例:パー4のホールスコアは8まで)
※9ホールのプレーは18ホール換算で計算
※17番・18番は悪いホールスコアピックアップの対象外とする
※同じネットスコアでタイのときはグロスが少ないプレーヤーを上位とする

USGA紹介

いかがでしたでしょうか。他にも種類があるかもしれません。独自に算出式を提案されている方もいらっしゃいますのでいずれ紹介できればと思います。忌憚のないご意見・ご感想をお待ちしております。

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